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みんなの家!未来の家!

私たちの住生活はどのように進化してきて、これからどのようになっていくのか。住宅メーカーが考える住宅の課題と、解決しようとしている取り組みを知り、私たちの住まいの在り方を探究的に学習する。

実践報告
改訂履歴
  • 2019年12月: 「修正意見」生かした指導例別案を追加しました。ページ下部のボタンから参照ください
  • 2019年12月: 探究的な学習にするための授業実施時のアドバイス(「修正意見」)こちらからご確認ください
  • 2020年2月: 2020年度の実施に向けて訪問場所を修正

学習活動の概要

単元や題材などの目標

家についての発展や家づくりに関わっている方々の思いについて調べたり、未来の家について提案するための方法を考え伝えたりする探究活動を通して、自らもつ課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することができるようにする。

単元や題材などの学習内容

探究課題:私たちが過ごしている家はどのように発展しているのか。家づくりに関わる人たちは、どのような思いをもっているのか。

総合的な学習の時間の学習とプログラミング体験との関連

本単元は、新学習指導要領第3の2(9)の「第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,プログラミングを体験することが探究的な学習の過程に適切に位置付くようにすること。」に基づき指導するものである。

実際に最新の住宅を展示している「住まいの夢工場」に行き、IoTの仕組に触れたり説明をうけることで、自分でもそのような仕組みを作ることができるのか、実際にセンサーや電子工作を使ったプログラミングが可能なツール(MESHやmicro:bit等)を用いて行うことで、発展してきている家の現状のすばらしさを実感すると共に、今後の未来の家の過ごしやすさを考えやすくする。≪情報収集≫≪整理分析≫≪表現活動≫に効果がある。プログラミングによって生活が便利になることを知り、未来の家と自分との関わりについて考えを深めるようにする。

企業の協力内容
資料の提供、住まいの夢工場の訪問受け入れ
  • 昔の住まいと現在の住まい
  • 快適な住まい
  • 住まいの先進技術
  • 未来の家(IoTハウス等、ビデオでの説明も含む)
見学内容

学習指導計画例(総時数:35時間)

0次:みらプロの授業を始める前の共通指導案(1時間)
目的

私たちの日常生活や社会において「技術」が活用されていることを理解するとともに、これからの未来について考えることで、この後に行われる企業と連携した総合的な学習の時間の授業に関心をもって取り組めるようにすること

  1. 現在の私たちの生活を便利にしている「技術」が存在すること
  2. 今後も様々な社会の問題を解決して未来を作っていく活動が重要であること
  3. それを担っていくのは私たち(児童)だという理解をすること
本時の展開
  • 生活を便利にしている「技術」を知る
    • 現在の生活の便利さが、昔は当たり前ではなかったこと
    • 現在でも様々な「技術」が私たちの生活を便利にしていること
  • 私たちの生活にはすでに様々な「技術」が導入されており、生活を便利にしてくれていることを知る
    • 学校・家の中にコンピューターやコンピューターに関連するものはありますか?
    授業資料(社会の問題を解決して生活を豊かにするために「技術」が使われている例)を参考に説明し意見の交流を行う
  • 様々な社会の問題を解決して、未来を作っていく活動が重要であることと、それを担っていくのは私たち(児童)だという理解をすること
  • 上記までの指導をふまえて、今後行う企業と連携した授業を説明する

1次:家がどのように変化していったか(6時間)
【課題の設定】(1時間)
  • 当たり前に過ごしている家について改めて考えを捉える時間を設ける
    • 自分の家に対する考えを整理する。(家族団らん・寝る場所)
    • 家のつくり方など現状の知っていることを出すようにする。
      ※自分がいつも過ごしているにもかかわらず、意外と家について知らないという思いを引き出す
【情報の収集】(2時間)
  • 積水ハウスの資料をもとに、現在の家の機能や仕組について学ぶ
    • ユニバーサルデザイン
    • 構造、断熱
    • 太陽光発電
  • 新築住宅の情報などを参考に情報を収集する
【整理・分析】【まとめ・表現】(3時間)
  • 情報収集した便利になった住まいの機能や仕組からどんなことが見えてくるか整理・分析する
    • 高齢者
    • エネルギー(省エネルギー、創エネルギー)
    • 健康
  • 現在の家は、みんなが「生活」しやすいような仕組みが提供されている
2次:過去の家・未来の家(17時間)
【課題の設定】(2時間)
  • みんなが「生活」している家はかわってきているのかな。
    • 大きく変わってきている:バリアフリー
    • 大きく変わっていない:昔の設定のアニメの家も変わっていない
      • 子どもの家に対する予想を根拠と共に話が出るようにする。
      • 実際に見に行きたいという思いを生み、見学に向かう
  • 「昔と違うところ」、「最新」などの調べたい観点をもつようにする
【情報の収集】(2時間)
  • 実際に家を販売している会社の人に話を聞いてみよう。積水ハウス「住まいの夢工場」の見学及び、質疑応答
    • 昔の住まいと現在の住まい
    • 快適な住まい
    • 住まいの先進技術
    • 未来の家(IoTハウス等、ビデオでの説明も含む)
【課題の設定】(1時間)
  • 自分たちでも今の家の仕組を作ることができるか考えてみよう。
    • センサー(人感、温度、スイッチ、傾き)を使って、生活を便利にするアイデア
  • 「昔と違うところ」、「最新」などの調べたい観点をもつようにする
【情報の収集】(7時間)
  • センサーや電子工作を使ったプログラミングが可能なツールを使ったプログラミング体験(例:MESH、micro:bit)
    • ツールの使い方を学ぶ
  • 各自のアイデアをもとにどんなプログラミングができるのか考えてみる
  • プログラミングで仕掛けを作成する
プログラミング体験
目的

児童が考える家のしくみについて、プログラミングを活用して実際に作ってみる

実施内容
  • プログラミングツールの使い方を学ぶ
  • 各自のアイデアをもとにどんなプログラミングができるのか考えてみる
  • プログラミングで仕掛けを作成する
明るさ、人感、傾きなどのセンサーが利用でき、児童でもプログラミングができる環境が用意されているものが望ましい
micro:bitで搭載されているセンサー(傾き、温度、明るさ、方角、タッチ等)で、家の中での動作(箱のふたが開いた、ボタンを押した、温度が○度以上になった等)を検知して、別のmicro:bitに無線で通知し、そのmicro:bitでLEDを光らせたり、音を出したり(ブザーやスピーカーが必要)することができます。
詳細は、みんなの家!未来の家! micro:bitを使った指導例を確認してください。 (Word版はこちら)
【整理・分析】(2時間)
  • 実際に作ったことでわかったことをまとめる
【まとめ・表現】(2時間)
  • プログラミングの体験活動で感じた良さを交流する
    • プログラミングのよさを実感する。
    • プログラミングのよさとは何か深める
    • (実際にやってみると難しいけど、生活しやすい家になっている仕組みが、こうなっているとわかった)
3次:暮らしやすい家を提案しよう(12時間)
【課題の設定】(2時間)
  • 今後はもっと暮らしやすい家になっていくのかな
    • これまでの経験を生かして話を深める
      • 積水ハウスへの見学で知ったこと、プログラミング体験で感じたことを出し合い、考えを出す。
【情報の収集】(3時間)
  • 暮らしやすい家とはどんな家なのだろう?いろいろな人に聞いてみよう
    • 家の人や地域の人から情報を集める
【整理・分析】(3時間)
  • いろいろな調査の結果と自分たちの思いを整理し分析することで、自分のグループはこんな家が住みやすいということをまとめていく(3時間)
    • 思考ツールなどを活用しながら、考えを整理していく。
    • 体験を基に根拠をもちながら自分のグループの住みやすい家を探っていく。
【まとめ・表現】(4時間)
  • アイデアをまとめて発表する
    • <<積水ハウスさんに発表を見てもらえる場合には、アイデアの提案書を見てもらい、コメントやアドバイスをしてもらう>>
    • 観点等を整理しておき、コメントやアドバイスをしてもらう
    • <<積水ハウスに発表を見てもらえない場合は、学校内などの大人にコメントやアドバイスをもらう>>

こちらの学習について、「修正意見」生かした指導例別案を追加しました。学校での指導計画作成にご利用ください。 (指導案別案作成にご協力頂いた先生方はこちらに記載しています)

探究的な学習にするための授業実施時のアドバイス(「修正意見」)

こちらの学習について「修正意見」を頂きました。学校での指導計画作成にご利用ください。 (修正意見にご協力頂いた先生方はこちらに記載しています)

  • 家庭科との関連を図る可能性を検討するのがよい
  • 家の変化は,長く暮らしてきた大人には実感があるが,子どもにとっては難しい。また、時代の変化によって祖父母の家ですらマンション化していることもある。
    そこで、例えば典型的な昭和の家と,典型的な近代住宅のCGモデルを1:1で比較して,違いをリストアップさせるなどするとよい。その際,上がり口,トイレ,風呂場,2階への昇り方,スイッチの位置,手すり,などに気付かせる。
    そこから
    ・ユニバーサルデザイン
    ・構造、断熱
    ・太陽光発電
    などの視点を見付け出せると良い。
  • 積水ハウスから「暮らしやすい家について提案してほしい」とか「大人になったときに住みたい家について提案してほしい」というミッションがくるのはどうか。その後,その企画をコンペにして提案する
    上の視点に,防犯,利便性,つながり,というような物理的に見えない視点も付加するのもよい。
  • プログラミングの前に,「センサー」と「IoT」について学習するのが大事だと思う。事前に学習することによって見通しをもつことができる。その中から部分的に実験できるものだけプログラミングする。→これをコンペの時のプレゼンに組み込んで,「住みたい家」の紹介をする。
  • 共に生活する家族が変わって行くことや,加齢に伴ってさまざまな障害をもつようになることを学び,そのような変化に対応した家の在り方を考えるとよい。
  • 障害の状況を体験したり,UDやバリアフリーについて学んだりする活動を入れるとよい。
  • <目や足が不自由な人+介護する人>に配慮した家づくりとプログラミングやロボットの関係を検討するとよい。

こちらの指導案と協賛企業連携にご興味のある学校関係者は、

こちらからお申し込み・相談ください。

お申込み終了(2020年3月19日 正午まで)