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プログラミングを生かしてよりよい生活に

実践報告
改訂履歴
2019年12月: 探究的な学習にするための授業実施時のアドバイス(「修正意見」)こちらからご確認ください

現在の社会におけるロボットについての情報収集や、ロボット等のプログラミングを通して、未来の生活について探究的な学習を行う

学習活動の概要

単元や題材などの目標

身近な生活でコンピューターが活用されており、試行錯誤を通して問題の解決には必要な手順があることに気づき、コンピューターの働きを、私たちのより豊かな生活や社会づくりに活かそうとする態度を養う。

単元や題材などの学習内容

現在,様々な分野でAIを含めロボットの技術革新が進み,これまで人間が行っていた作業の多くを機械やシステムが代替すると考えられている。

  • 2次では,学校(地域、施設)生活でプログラミングが生かせる課題を探して決め,課題解決のためのプログラミングをする。次に,作ったプログラミングを学校(地域、施設)で使ってもらい感想を集め,整理,分析する。最後にまとめながら新たな課題意識をもたせる。特に、この段階では児童のできる範囲でのプログラミングを活かした課題解決を行うことを大切にする。
  • 3次では,2次での取組の成果と課題から、目的や相手、場面を意識しながら改善をし、新たな課題を探して決める。次に2次のプログラミングを生かしながら改善したプログラミングや取組を行う中で感想等を集め、整理,分析する。最後に,これまでの自分たちの取組をまとめながら、自分たちが生きる未来社会やプログラミングを生かすうえで大切にしたい生き方について発表する。特に、ここでは2次での取組の成果と課題から改善を図りながら実際の課題解決を行うことを大切にする。NTTドコモには、児童の学習のまとめについてコメントいただくとともに、企業が見据える未来社会についての動画やそのために大切にしていきたいことなどを話していただく。
総合的な学習の時間の学習とプログラミング体験との関連

総合的な学習の時間において,プログラミング体験を取り入れた学習活動を展開する際,育成することを目指すのは,以下の2つのことである。まず,探究的な学習の過程に適切に位置付け,探究的な学習において論理的思考力を育成すること。次に,コンピュータの動きをよりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を涵養すること。使用する学習ツールに関しては,プログラミングを学ぶために作られたものだけでなく,「課題の設定」や「情報の収集」等,探究的な学習に活用可能なものであり,できるだけ操作の習得に時間がかからないものが望ましい。

本単元では、embotとScratchという2つの特徴の違ったプログラミング環境を活用することで、それぞれの利点を理解し、自らが考える社会で役に立つ仕組み作りに対して適した選択を行う思考判断を促すことを目指す。

企業の協力内容
教材提供、プログラミングツールの提供
  • embotの貸し出し
  • embotの学習チュートリアル
  • ドコモR&Dセンター(横須賀)に訪問可能な場合は、訪問も可能

学習指導計画例(総時数:35時間)

0次:みらプロの授業を始める前の共通指導案(1時間)
目的

私たちの日常生活や社会において「技術」が活用されていることを理解するとともに、これからの未来について考えることで、この後に行われる企業と連携した総合的な学習の時間の授業に関心をもって取り組めるようにすること

  1. 現在の私たちの生活を便利にしている「技術」が存在すること
  2. 今後も様々な社会の問題を解決して未来を作っていく活動が重要であること
  3. それを担っていくのは私たち(児童)だという理解をすること
本時の展開
  • 生活を便利にしている「技術」を知る
    • 現在の生活の便利さが、昔は当たり前ではなかったこと
    • 現在でも様々な「技術」が私たちの生活を便利にしていること
  • 私たちの生活にはすでに様々な「技術」が導入されており、生活を便利にしてくれていることを知る
    • 学校・家の中にコンピューターやコンピューターに関連するものはありますか?
    授業資料(社会の問題を解決して生活を豊かにするために「技術」か゛使われている例)を参考に説明し意見の交流を行う
  • 様々な社会の問題を解決して、未来を作っていく活動が重要であることと、それを担っていくのは私たち(児童)だという理解をすること
  • 上記までの指導をふまえて、今後行う企業と連携した授業を説明する

1次:私たちが生きる未来社会について考えよう(12時間)
【課題の設定】(3時間)
  • プログラミングロボットに関心をもち「embot」を体験する
    • NTTドコモ提供の「プログラミングとは?embotとは?」動画教材を活用し、プログラミングロボットに関心をもたせる。
      • (かわいいな。面白そう。作ってみたい)
      • (どんなことができるかな)
      • (教えあって簡単に作れそう)
    • 「embot」とタブレット等とをつなぎ、プログラミングをする
      • (「embot」に名前をつけて、タブレット等とつなぐことができる。すごい)
      • (「embot」の胸のLEDを点灯させるためには…)
      • (「embot」の腕を動かして売買をさせるためには…)
    • プログラミング体験をもとに、ロボットと過ごす未来社会に関する課題を設定する。
      • (今は人間がしていることも、ロボットがしてくれて便利な社会になるだろう)
      • (ロボットと会話をして話し相手になってくれるだろう)
      • (ロボットがもっと身近な存在になるかもしれないけど、よくわからないな)
プログラミング体験
目的

ロボットと過ごす未来社会を想像するために、まずはembotの基本を学ぶ

実施内容
  • embotを組み立てて、動かそう
  • embot組み立てマニュアル、およびembotプログラミングマニュアルを利用し、embotプログラミングの基礎を体験する。
  • ※組み立て及び、プログラミング体験については ユーザーズサイト(要ユーザー登録)に動画もございます。プログラミング体験の時間が限られている場合、まずは「きほん」のページをご覧になるのが良いと思います。
  • 【情報の収集】(2時間)
    • 現在の社会ではどんなロボットがあるのか調べ、情報を集める
      • 来店したお客様の話を聞いて受付するロボットがある
      • 外国人の来客に対応できるように複数言語で対応できるロボットがある
      • スマートスピーカーのような家庭でも使われているロボットがある
    【整理・分析】(4時間)
    • ロボットが活躍しそうな分野や人間とロボットが過ごす社会について話し合う(1時間)
      • (人間との簡単なやり取りができるから定型文が多い分野で活躍しそう。)
      • (VRで遠隔操作ができれば人間が家に居ながらロボットが危険な所で活躍しそう)
      • (現在、ロボット以外でもプログラミングされた映像もたくさんある(スマホ等))
    • 「Scratch」を使い、プログラミングを活かした映像でできることを考える
      • (「Scratch」では画面上に出したいページをだせるのがいいね)
      • (実際には動かないけれど、画面上の動きやアクションがいいね)
      • (「embot」と「Scratch」では特徴が違うから活かし方も違いそうだね)
    【まとめ・表現】(3時間)
    • プログラミングについてまとめ、課題を設定する
      • (ロボットや映像にプログラミングをして生活を良くすることはできないだろうか)
      • (学校や地域での生活でプログラミングが活かせそうなことって無いかな)
      • (「embot」と「Scratch」で誰かが喜んでくれることってないかな)
    2次:プログラミングを生かして学校(地域・施設)をよくしよう(12時間)
    【課題の設定】(3時間)
    • 取材やアンケートを行い、学校(地域、施設)の生活の中から、プログラミングを生かしてより良い生活につながる課題を探す(3時間)
      • (Scratchを使って、学校に来た人向けに玄関の受付で施設案内ができるようになれば校舎や施設内で迷う人が少なくなるかも)
      • (Scratchで、給食クイズが出され「正解○」「不正解×」表示がされて解説画面が出るようになれば、給食にもつ友達が増えるかも)
      • (スクラッチで、朝教室に来て宿題を出して出席番号を押すと自動でチェックできれば、宿題のチェックする日直の仕事を助けてくれるかも)
      • (「embot」のセンサーで温度を感知して、○○度以上になればブザーや動きで知らせてくれれば、扇風機を付けたり消したりするお知らせが分かって、省エネだね)
      • (「embot」のセンサーが保健室や図書館で訪問者を感知すると、校歌の音楽や光で知らせることができれば先生や委員会の人もすぐにわかるかも)
    【情報収集】(5時間)
    • 課題解決のためのプログラミングをする。
      • 学校の施設図を押す→案内経路図とメッセージが表示
      • 給食クイズ→ボタンを押すと「○」か「×」表示→解説画面が表示
      • 出席番号を押す→メッセージが表示→出席番号が提出済に変わる
      • センサーの温度感知→ブザー音の長さや動きのパターン
      • センサーの人感知→音符や休符の種類や動きのパターン
    プログラミング体験
    目的

    課題解決のためのプログラミング

    実施内容
    • 各自の課題に合わせて、プログラミングツール(embotやScratch)を選定
    • 開発
    それぞれのプログラミングツールの特徴を理解して、自らの課題解決に活用する
    【整理・分析】(3時間)
    • 作ったプログラミングを学校内で使ってもらい感想を集め,整理,分析する。(3時間)
      • (自分達が作ったプログラミングで少しは便利になったと感じた人達がいた)
      • (給食や読書に興味や関心をもってくれて楽しくなった人達がいた)
      • (同じクイズばかりで飽きてしまう人も多くいたね)
      • (音楽や動きでは気付かない人や授業を邪魔してしまうこともあったね)
    【まとめ・表現】(1時間)
    • 取材やアンケート結果をもとに取組をまとめ、次の改善点を明らかにする。
      • 使ってくれる人たちのことをよく考えて改善しよう。
      • ロボットやスクラッチの機能が活かせそうな場面を考え直そう。
      • 同じ問題ではなく、何種類かつくって選んでもらえるようにしよう。
    3次:場面や相手に応じたプログラミングで学校(地域・施設)をよくしよう(11時間)
    【課題の設定】(2時間)
    • 地域でプログラミングが生かせる課題を探して決める。
      • 施設案内や待ち時間の多い場所(場面)を考えて使ってもらおう。
      • 給食だけでなく本のクイズや低学年が興味をもてる昆虫のクイズにすれば、自分でジャンルを選んで楽しんでもらえるよね。
      • 朝教室に来て宿題を出して出席番号を押すだけじゃなくて、宿題に似た問題を1問だけ出して答えを選ぶようにすれば復習になるね。
      • センサーで温度を感知するのは、保健室や職員室に置いて、授業の妨げにならないようにして、昼休みの熱中症予防の放送の参考にしてもらおう。
      • 玄関で訪問者を感知すると、校歌の音楽や光で知らせて訪問者を楽しませる方が相手のことを考えているかも。
    【情報の収集】(2時間)
    • 課題解決のためのプログラミングをする。(2時間)
      • 同じプログラミングで場所や相手を変えながら改善する。
      • プログラミングの種類を増やし相手のニーズに合わせて改善する。
      • プログラミングを追加し目的や相手に応じて改善する。
      • 同じプログラミングで場所や相手を変えながら改善する。
      • プログラミングが活かされる場面や相手を変えて改善する。
    【整理・分析】(2時間)
    • 作ったプログラミングを学校等で使ってもらい感想を集め,整理,分析する。
      • (改善したことで前よりも楽しんでくれた人達が増えたよ)
      • (目的、相手、場面を考えて改善することって大切なことだよね)
      • (プログラミングを上手に使うことで役に立てて嬉しいよね)
      • (便利なものだからこそ、よく考えて活用することがこれからもっと大切になるね)
    【まとめ・表現】(5時間)
    • 企業が見据える未来社会の紹介
      • NTTドコモ提供の「プログラミングと未来の暮らし」の動画を使って考えを深める
    • 自分たちの取組をまとめ、未来の社会について考えを発表する。
      • (順次,反復,分岐を意識すると目的に合ったプログラミングができる)
      • (プログラミングでできることを目的や相手、場面に合わせて使っていくことが大切な社会になっていく)
      • (未来に生きる私たちは,目的に合わせてプログラミングされたロボットなどと共に豊かに生きたい)
    探究的な学習にするための授業実施時のアドバイス(「修正意見」)

    こちらの学習について「修正意見」を頂きました。学校での指導計画作成にご利用ください。 (修正意見にご協力頂いた先生方はこちらに記載しています)

    • 「豊かな暮らしをつくろう」というような趣旨で、「未来のくらし」についてのイメージを掘り起こす
    • 校内でのembot活用を考えるとしても,校内の困り事を先に掘り起こしてから、それにembotをつなげるようにするほうが良い。
    • embotの体験から感じたことから、課題設定につなげ,さらに2次につなげていく意識が大事。実社会の問題から入りたいという意見も多く、5年生の「工業」から,embotにつなげる手もあり。
    • 「未来をよりよくするために」「ロボットを学校の1員として迎えるには」「幼稚園の子がよろこぶ玩具づくり」というような課題も考えられる。
    • embotから,目に見える働きをするロボット一般のはたらきについての学習に広げ,さらに目に見えない働きもするプログラミングのはたらきに広げる学習としてScratchの活用につなげる
    • ロボット一般の背後にあるプログラミングから,問題を細分化して解決するプログラミング的思考につなげて,社会問題の細分化から解決,というプロセスを考える。
    • 「学校給食→老人ホームの給食」というような,学校の問題から地域の問題をつなぐような発展を考えたい。

    こちらの指導案と協賛企業連携にご興味のある学校関係者は、

    こちらからお申し込み・相談ください。

    お申込み(2020年5月15日 正午まで)